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新型コロナウイルス感染症への今後の対応について

掲載日  2020.06.03

【県民、事業者の皆様へ】
 福岡県新型コロナウイルス感染症対策本部からのお知らせです。
 下記の内容は、5月29日に開催された「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」で、今後の対応について決定されたものです。
 皆様のご理解とご協力をお願いします。



令和2年5月29日

新型コロナウイルス感染症への今後の対応について

1 はじめに
 今月14日、本県に対する「緊急事態宣言」が解除されました。
これも、多くの県民、事業者の皆様のご理解とご協力、また、医療の最前線で奮闘いただいている医療関係者、様々な現場で社会を支えていただいている皆様のご尽力によるものであり、改めて感謝いたします。
 
 「緊急事態宣言」の解除以降の感染状況について見ると、落ち着いた状況を見せておりました。このため、感染の再拡大防止と医療提供体制の確保を図りながら、社会経済活動のレベルを徐々に引き上げていく時期が近づきつつあると考えていました。

 しかしながら、4月30日から感染者数0が続いていた北九州市では、5月23日以降、感染者が急増しており、特に、本日は26名の感染が判明し、この1週間で69名となりました。そのうち27名が経路不明であり、専門家によると、市中にまん延している可能性も否定できないとされております。

 本県では、再度感染が拡大する場合に備えて、医療提供体制確保の準備に入るための独自の指標(「福岡コロナ警報」)を設定しており、この指標をもとに総合的に判断し、医療がひっ迫する恐れがある場合には、医療機関に対し、病床の準備等受入れ体制の整備を要請するとともに、県民、事業者の皆様がとるべき措置について検討を開始することとしています。
 この「福岡コロナ警報」に照らして、感染の現状を見ると、①感染者数(3日移動平均)は、「緊急事態宣言」解除後の1週間は1人以下でしたが、北九州市での発生の増加により、直近は8人を超えており、②経路不明者の割合も、直近1週間のうち5日間で50%以上となっています。
 一方、③病床稼働率、④重症病床稼働率は、ともに直近1週間は1割以下となっています。
 このように、現段階では、県全体で、医療提供体制の確保の準備に入るレベルには至っておらず、医療提供体制も余力がある状態にあります。

 しかしながら、今後の状況如何によっては、厳しい状況になることも予想されます。このため、社会経済活動のレベルを徐々に引き上げながら、これまでの努力が水泡に帰すことがないよう、この北九州市の感染の拡大が全県下に広がり、第2波となることを断固食い止める必要があります。そこで、北九州市での感染状況についての詳細な分析を行い、現在行っている措置を見直し、以下の措置をとることとします。

2 6月1日以降の取組み
(1)外出の自粛
① 不要不急の外出自粛要請は解除する。
  都道府県をまたぐ帰省や旅行も可能となるが、6月18日まで、北海道、埼玉県、千 葉県、東京都及び神奈川県への移動は慎重に対応すること。
  また、県内の他の地域への移動は、当該地域の感染状況を踏まえ、慎重に対応すること
  北九州市民は、当分の間、県内外への不要不急の外出を控えること

② 外出の際には、各人による感染防止策を徹底するとともに、感染防止策が不十分な場 所への外出を避けること

※ 各人による感染防止策
 「三つの密」の回避、手洗い・消毒、マスク、咳エチケット、人と人との距離の確保等

③ 観光振興に関しては、まずは県内の観光から取り組むこととし、県外からの積極的な 誘客は6月19日以降実施のこと

(2)催物(イベント等)の開催
① 催物(イベント等)については、以下を目安に開催すること(展示会、見本市等につ いてもこれに準じる)

【~6月18日】
屋内:100人以下、かつ収容定員の半分程度以内の参加人数
屋外:200人以下、かつ人と人との距離を十分確保(できるだけ2m)
【6月19日~7月9日】
屋内:1000人以下、かつ収容定員の半分程度以内の参加人数
屋外:1000人以下、かつ人と人との距離を十分確保(できるだけ2m)
【7月10日~7月31日】
屋内:5000人以下、かつ収容定員の半分程度以内の参加人数
屋外:5000人以下、かつ人と人との距離を十分確保(できるだけ2m)
【8月1日~】
屋内:収容定員の半分程度以内の参加人数
屋外:人と人との距離を十分確保(できるだけ2m)

② 全国的な人の移動を伴うような規模の大きなイベント(スポーツの試合等)について は、6月19日以降、まずは無観客で開催し、7月10日以降は上記①の要件に基づき 開催のこと

③祭り、花火大会、野外フェスティバル等、人数の管理が困難な行事のうち、全国的又は広域的な人の移動が見込まれるものや、参加者の把握が困難なものについては、中止を含めて慎重に検討すること
なお、8月1日以降については開催も可能とするが、人と人との距離を十分確保(できるだけ2m)すること

※地域で行われる盆踊り等、全国的又は広域的な人の移動が見込まれない行事であって参加者がおおよそ把握できるものについては開催可能

④ ①~③の開催に当たっては、以下の徹底的な感染防止策を講ずること
 リスクへの対応が整わない場合は、主催者は、中止又は延期などの対応を行うこと
 また、北九州市内における催物(イベント等)については、6月18日まで開催を自粛すること

 ※感染防止策
 入退場時の制限や誘導、発熱や感冒症状がある者の参加自粛、三密回避、手指の消毒、マスクの着用、室内の換気、出演者の発声等を伴う催物にあっては客席との十分な距離の確保、声援に係る感染防止策、主催者による出演者・参加者等の移動中や移動先における感染防止のための行動管理(例えば、夜の街への外出等の感染リスクのある行動の回避)等
 
(3)施設の休業等
① これまでの休業要請は解除する。
 ただし、北九州市内に所在する施設のうち、これまで国内においてクラスターが発生 し、特に感染リスクの高い接待を伴う飲食店、ライブハウスについては、6月18日まで、休業について協力を要請(北九州市での感染状況についての詳細な分析を行い、その結果が明らかになった場合、期日を早める場合もある)

※ 接待を伴う飲食店は、キャバレー、ナイトクラブ、スナック、バー、パブ等の名称にかかわらず、客の接待を伴うものが休業要請の対象
※ 北九州市において、一部の公共施設の臨時休館を実施していることに鑑み、県立の関門海峡ミュージアム、北九州勤労青少年文化センター、平尾台自然観察センターについては、6月18日まで休館
※ 北九州地区の県立学校については、6月1日から当面1週間、分散登校を実施
  市町村立学校及び私立学校については、県立学校を参考に、設置者が判断

② すべての施設管理者は、開業する場合には、「四方を空けた席配置」、「客の入れ替え時の適切な消毒や清掃」など、施設類型ごとの徹底した感染防止策を確実に講ずること
  特に、国内においてクラスターが発生した施設については、厳重な感染防止策を講ずること

③ 今後、クラスターが発生した場合には、当該施設類型に属する施設について、再度の 休業要請等を検討する。

(4)職場への出勤等
 在宅勤務(テレワーク)、時差出勤、自転車通勤など、人との接触を低減すること

(5)新しい生活様式の実践
 引き続き、感染防止の3つの基本である①「身体的距離の確保」、②「マスクの着用」、③「手洗い」など、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の実践を図ること

※「新しい生活様式」とは、「三つの密」の回避、手洗い・消毒、マスク、咳エチケット、人と人との距離の確保、「外出は少人数ですいた時間に」、「食事は対面でなく横並びで」など、飛沫感染や接触感染、近距離での会話への対策をこれまで以上に取り入れた生活様式

3 医療機関等への相談
(1)①~③のいずれかに該当する場合には、「帰国者・接触者相談センター」へ相談すること
① 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
② 重症化しやすい方や妊婦の方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
③ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合

(2)発熱や咳など風邪の症状があり、かかりつけ医を受診する際には、直接受診せず、必ず、事前に電話で相談すること

4 検査体制の充実と医療提供体制の確保
(1)抗原検査の導入促進
 検査の充実を図るため、短時間で結果がわかる「新型コロナウイルス抗原迅速診断キット」を、本県へ優先的に供給するよう国に要請しています。
 今後とも、中核的な機能を果たしている医療機関、感染リスクが高い医療機関(特定機能病院、救命救急センター、感染症指定医療機関等)へ、同キットの導入を推進していきます。
(2)医療提供体制の確保
 病床については、これまでの66の感染症病床に、感染症指定医療機関及び入院協力医療機関等の一般病床を加え、計490床(このうち重症病床60床)を確保しています。 さらに、当面の目標である合計570床を目指し、関係医療機関と調整を進めております。
 民間の宿泊療養施設についても、北九州市内(219室)、福岡市内(455室)、久留米市内(152室)の3つのホテルで計826室を確保しております。合計5施設1,200室が確保できるよう、ホテル事業者と調整を進めております。
 エクモについては、県内で61台を確保し、さらに、その購入費用に対し助成を行い、整備を進めているところです。また、これまで11人の患者(最大同時に7人)に使用してきましたが、重症患者が大幅に増加した場合に備え、「九州・山口9県災害時応援協定」に基づく相互利用が可能となるよう、九州地方知事会に提案し、実施に向け調整を行っています。

5 おわりに
 新型コロナウイルスとの戦いは、長丁場となります。この戦いに打ち勝つか否かは、県民の皆様一人一人の意識と行動にかかっており、改めて、地域の力と結束が問われます。
誰もが、感染するリスク、感染させるリスクがあります。自分自身、家族、周囲の人、地域と社会を守るため、気を緩めることなく、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の実践、そして、徹底した感染防止対策の実施に、しっかり取り組んでください。
 県民、事業者の皆様のご理解とご協力をお願いします。

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